車夫が二人出てきますが、その対比が面白さです。後から出てくる車夫がいかに早いかというところを、乗っているお客の所作で演じ、笑わせます。オチも演じる落語家によって違うので、どう落とすのかという楽しみもあります。
日本橋あたりで上野の駅まで人力に乗った男。最初に乗った俥は遅くてしょうがない。乗り換えると、今度は威勢がよくて早い俥。どんどん飛ばして気持ちいいが、そのうち止まらなくなってしまう。やっとのことで止まると、そこは仙台だった。あわてて引き返すと今度は小田原。「これでは終列車に間に合わない。」「なぁに、明日の一番には間に合いますよ。」