寄席というと、なんとなく敷居が高く行きづらいと感じる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。寄席には、老若男女問わず大勢のお客様が集まり、ときには立ち見がでることも。会場はいつも笑いに包まれています。難しいことは考えず、とにかく一度いらしてください。あなたもすぐに寄席の魅力にはまってしまうかも!?

寄席で観られるのは、落語だけじゃない!

ちょっとでも落語に興味があったら、ぜひ寄席に落語を聴きに行きましょう。でも、寄席で行なわれるのは落語だけではありません。講談、漫才、漫談、音曲、手品、曲芸など、バラエティーに富んだ番組(プログラム)になっているのです。前座の落語から始まり、漫才や手品などの色物と呼ばれる演芸と、二ツ目の落語がテンポよく進んでいき、最後に真打ちが登場します。寄席という小さな小屋の中では、お客様の笑い声やかけ声が絶えず聞こえ、どことなく非日常的な、江戸時代にタイムスリップしたかのような時間が流れています。似顔絵漫談や紙切りなどでは、お客様のリクエストに答えてくれることもありますよ。

色物(太神楽曲芸)

「色物(太神楽曲芸)」

初めてでも安心。寄席を体験しよう!

行きたい寄席を探そう

寄席は年中無休

寄席は、毎日やっています。「昼の部」は正午前から、「夜の部」は、だいたい午後5時前くらいから始まります。基本的に入れ替え制ではないので、一日じっくり落語に浸ることもできます。(寄席や公演によって違うので、正確なスケジュールは直接寄席に問い合わせてください。)
また、お正月は顔見世興行といって、通常より出演者が多く、一日三部構成になります。

演芸場を調べよう

落語芸術協会が出演している寄席は、新宿「新宿末廣亭」、浅草「浅草演芸ホール」、池袋「池袋演芸場」、上野「お江戸上野広小路亭」、三越前「お江戸日本橋亭」、半蔵門「国立演芸場」、横浜「横浜にぎわい座」があります。ほかにも、地域寄席ホール落語などいろいろなところで落語は聴けます。居酒屋や蕎麦屋でやることもあるんですよ。

新宿「末広亭」

新宿「末広亭」

上席、中席、下席で番組が変わります

寄席の出演者や内容は、上席(毎月1日~10日)、中席(毎月11日~20日)、下席(毎月21日~30日)ごとに変わります。初めて寄席に行くなら、知っている落語家(噺家)が出演するときを選んで行くのがいいでしょう。寄席は小さいところが多いので、落語家が身近に感じられますよ。
また、事前に誰がどの噺をするのかも知りたいところですが、残念ながらそれは難しいです。芸人は、自分の演じるものが他の出演者とかぶってしまわないよう、当日、出番を待っている間にネタ帳を見ながら決めるのです。

親子には親子寄席もオススメ

寄席は、老若男女が集まるところ。子供連れのご家族もよく見かけます。ただし、あまり小さなお子様は他のお客様に迷惑になることもありますので、ご考慮ください。地域寄席や行政主催の公演などでは、親子で楽しめる「親子寄席」を催すこともありますので、そのような機会を利用するのもいいでしょう。

さぁ、出かけよう!

チケットの予約は必要ありません

行きたい寄席が決まったら、あとは行くだけです。寄席では席の予約・前売りなどはない場合がほとんどですので、「近くまで来たからついでに寄席でも」と、気軽に行くことができます。

服装はもちろん自由

おしゃれをしたり、着物を着ていく必要はありません。普段着で気軽にお出かけください。ただ、寄席によっては着物割引などもあるので、慣れてきたらチャレンジしてみるのも楽しそうです。

寄席に着いたら

「木戸」がすべての入口です

チケットは、寄席の木戸で買います。入場料のことを木戸銭といい、子供には子供料金が設定されています。木戸には、案内の人が立っているので、混み具合などを聞いてみましょう。

木戸
寄席でのマナーって?

寄席は、好きなときに入って好きなときに出ることができます。寄席自体の再入場はお断りしているところが多いですが、基本的に客席は出入り自由。ただし、マナーとして、高座の切れ場(演芸と演芸の間)にするとよいでしょう。
また、飲食も自由です。売店でお弁当を売っているところも多いので、それも寄席の楽しみのひとつです。ただ、こちらもあまり音のするものやアルコール飲料はお控えください。アルコールOKの寄席でも、飲みすぎて芸人に絡まないようにしましょう。
このように、寄席には窮屈なルールはなく、とても自由な空間です。他のお客様や出演者に迷惑をかける行為に気をつければ大丈夫。携帯はマナーモードにしておいてくださいね。

初めて寄席を体験したら…また何度でも行きましょう!

ぜひ、何度でも寄席に足を運んでください。座る場所によって雰囲気も変わるので、靴を脱いで桟敷席に座ってみたり、思い切って前列に座り、芸人にいじられるのも一興かも?好きな芸人めあてで通うもよし、「通」への道をめざすもよし、自由に落語の世界を楽しんでください。

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